13.2 舌咽神経痛 (ICHD-3βの診断基準)

解説

 舌咽神経痛は片側性,一過性で,激烈な,刺すような痛みであり,耳,舌基部,扁桃窩または下顎角直下に生じる。嚥下,会話または咳によって誘発されるのが一般的であり,典型的三叉神経痛のように寛解と再発を繰り返すことがある。

診断基準

A.B およびC を満たす片側性の痛み発作が少なくとも3 回ある

B.痛みは舌の後部,扁桃窩,咽頭,下顎角直下または耳のいずれか1 つ以上の部位に分布する

C.痛みは以下の4 つの特徴のうち少なくとも3

項目を満たす

  1. 数秒〜2 分持続する痛み発作を繰り返す
  2. 激痛
  3. ズキンとするような,刺すような,あるいは鋭い痛み
  4. 嚥下,咳,会話またはあくびで誘発される

D.明らかな神経学的欠損がない

E.ほかに最適なICHD-3 の診断がない