三叉神経・自律神経性頭痛
Trigeminal Autonomic Cephalalgia (TACs)
TACsは、厳密に一側性の激烈な痛みと、患側の自律神経症状を特徴とする頭痛で、群発頭痛、発作性片側頭痛、SUNCT/SUNA、持続性片頭痛の4種類があります。各TACsの鑑別には、1日の発作回数と発作の持続時間が重要な手がかりとなります。
TACsのうち2つ(発作性片側頭痛と持続性片側頭痛)は、インドメタシン反応性頭痛で、インドメタシンで完全寛解します。 インドメタシンへの反応性を確認することが重要です。
群発頭痛 | 発作性片側頭痛 | SUNCT | 持続性片側頭痛 | |
男女比(M:F) | 2.5-7:1 | 1:1.6-2.36 | 1.3:1 | 1:2 |
痛みの性状 | 穿刺性 | 拍動性、穿刺性 | 灼熱性、穿刺性 | 持続性鈍痛 |
えぐるような | えぐるような | 拍動性 | ||
強度 | 激烈 | 激烈 | 強度 | 中等度~強度 |
部位 | 眼窩、側頭部 | 眼窩、側頭部 | 眼窩周囲 | 眼窩、側頭部 |
発作頻度(回/日) |
0.5-8 | 1-40 | 3-200 | 持続性 |
持続時間 | 15-180分 | 2-30分 | 5-240秒 | 持続性+激痛発作 |
自律神経症状 | あり | あり | あり | あり |
片頭痛様症状 | あり | あり | きわめて稀 | あり |
飲酒による誘発 | 70-80% | 7% | なし | 稀 |
インドメタシン | (±)* | 全例に著効 | - | 全例に著効 |
*群発頭痛の急性期治療薬の第一選択はトリプタンですが、インドメタシンはそもそもが鎮痛薬(NSAIDs)であるため、有効性を完全に否定することはできません。