カルバマゼピン(CBZ)の使い方
カルバマゼピン carbamazepine(CBZ)
薬物動態
Tmax:4~24時間後(単回投与)
T1/2:約36時間(単回投与),16~24時間
(CBZの半減期は初期には30~40時間と長いが,自身の代謝を促進する酵素誘導により,慢性投与では次第に半減期が短くなっていくので,血中濃度を監視しながら投与量,投与間隔を調節する.)
有効血中濃度:4~12μg/mL
【相互作用】〈併用注意〉
カルパマゼピン(CBZ)が血中濃度を下げる(作用を減弱させる)可能性のある薬物
(本剤の代謝酵素誘導作用によるこれら薬剤の代謝促進)
アセトアミノフェン
クマリン系抗凝血薬
ワーファリン(注意、ワーファリンが効かなくなる)
三環系抗うつ薬
アミトリプチリン(トリプタノールの血中濃度が上がらない)
イミプラミン(トフラニール)
クロミプラミン(アナフラニール)
ベンゾジアゼピン
アルプラゾラム(コンスタン・ソラナックス)
クロナゼパム(ランドセン・リボトリール)
抗けいれん薬
エトスクシミド(エピレオプチマル、ザロンチン)
バルプロ酸(デパケン)
フェニトイン(アレビアチン)
プリミドン(プリムロン、マイソリン)
抗精神病薬
フルフエナジン(フルメジン)
ハロペリドール(ケセラン・セレネース)
気管支拡張剤(喘息)
テオフイリン(テオコリン)
カルバマゼピンが血中濃度を上げる可能性のある薬物
クロミプラミン(三環系抗うつ薬)
フェニトイン(抗けいれん薬)
プリミドン(抗けいれん薬)
カルバマゼピンの血中濃度を上げる可能性のある薬物
血中濃度が急速に上昇し,中毒症状(眠気,悪心・嘔吐,眩暈等)出現
アロプリノール(抗痛風薬、アロシトール、ザイロリック)
シメチジン(抗潰瘍薬、タガメット、カイロック)
ダナゾ-ル(子宮内膜症、ボンゾール)
フルボキサミン(SSRI,デプロメール、ルボックス)
イソニアジド(抗結核薬、イスコチン)
バルプロ酸(抗けいれん薬、デパケン)
抗真菌薬
イトラコナゾ-ル(イトリゾール)
ケトコナゾ-ル(抗真菌薬、ニゾラール)
Caチャネルブロッカー(降圧剤)
ジルチアゼム(ヘルベッサー)
ベラパミル(ワソラン)
抗菌薬
エリスロマイシン
クラリスロマイシン
マクロライド系薬物
カルパマゼピンの血中濃度を下げる可能性のある薬物
抗けいれん薬
カルバマゼピン(自己誘導)
フェニトイン
パルプロ酸
プリミドン
リファンピシン(抗結核)
テオフイリン(気管支拡張薬)
副作用
1,発疹((猩紅熱様・麻疹様・中毒疹様発疹)。
2,骨髄抑制
a、再生不良性貧血(致命的なだが発生はきわめて稀)
b,血小板減少(発現頻度が比較的高い副作用である。治療開始後1~2週間以内で生じることが多く、血小板数が1-2万まで下がることがあるため、要注意である。教科書的には、投与開始から2ヶ月間は2週間ごとに血液検査を行うことが推奨されている。)
c,投与初期に一過性の白血球減少がみられることがある.顆粒球が1,000/mm3以下になる時は投与を中止する.
3,消化器(口内炎,食欲不振,悪心・嘔吐,便秘,下痢,口渇)
4,精神神経(眠気,眩暈,ふらつき,立ちくらみ)