運動障害

不随意運動の分類と特徴  
1. 振戦

最も多い不随意運動です。リズミカルな同じ運動の繰り返しです。寒いときや興奮したときに震えるのは病的ではなく生理的振戦と呼ばれています。病気では本態性振戦、パーキンソン病、甲状腺機能亢進症、肝硬変などでおこります。

2. ミオクローヌス 

短時間の筋の収縮によって起こる運動です。寝ているときに体がぴくっとするのもミオクローヌスです。病的に起こるときは脳のび漫性の障害によることがおおく、脳炎、低酸素脳症などさまざまな原因で起こります。

3. アテトーゼ 

アテトーゼとはギリシャ語で「固定されていない」または「変わりやすい」ことを意味する言葉です。.ゆっくりで持続的なたえずくねるような不随意運動です。脳性麻庫、脳血管障害、外傷後、ウィルソン病,などで起こりますが、フェノチァジン系薬剤(クロルプロマジンなど)によって起こることもあります。

4. ジスキネジア(別記) 

5. 静座不能(アカシジア) 

座ったままでじっとしていることができず、絶えず手足を動かしたり、起立・着席したり落ちつかない状態です。パーキンソン病や薬物によるパーキンソン症候群でみられます。

6. 舞踏運動

不規則な、目的のない、非対称性の運動で、あたかも踊っているような、奇妙な不随意運動です。身体の各部に起こりますが、顔面、四肢に多く認め、じっとしていることができず、たえず手足を動かしたり、グロテスクに顔をゆがめたり、舌を出したりします。重症になると全身に出現し、随意運動も障害され・歩行は拙劣となり、衣服を着たり、食事をとることも困難になります。軽いものでは顔をしかめたり、変な手つきをしたりして、何となく落着きがないという感じを受けます。子供では御飯をこぼす、歩きかたがおかしいなど急に行儀が悪くなったと思われるぐらいで見過ごされていることがあります。

舞踏運動を示す疾患にはリウマチ熱の後に起こる小舞踏病や、ハンチントン舞踏病があります。フェノチアジン系薬物の副作用として起こることもああります。

7. バリスム 

舞踏様運動の一種ですが、運動はもっと急速で、粗大であり、持続性です。四肢の末梢よりも、体幹に近い部分に強く起こり、上下肢を投げ出すような、激しい運動です。脳出血や脳梗塞のよって起こることがありますが、多くは一過性です。

8. 攣縮 

断続的に生ずる、ある持続時間をもった異常な筋収縮状態を指します。てんかんや顔面がぴくぴくする顔面痙攣などで起こります。

9. ジストニー(別記) 

文責(今井昇)