舌痛症・口腔内灼熱性疼痛

 

<特徴>

・60歳以上の女性に多く、ストレスと関連して発現することが多い

・検査では異常がないにもかかわらず、舌先や舌側縁にひりひりする痛みが続いている。または、舌や唇、口蓋、歯肉にじりじりと焼けるような痛みが生じている。

・基本的には一日中持続する痛みですが、「気がつくと痛い」という方もいます。

食事中は痛みを感じず、食事に支障はない

・カンジダ(カビの一種)や鉄欠乏性貧血などの、舌に痛みを生じさせるような器質的な病気は除外されている。

・症状が出たころ、不安やストレスを強く感じる出来事があった。(歯科治療中に不安や恐怖を感じたことがきっけになったり、テレビで舌がんの番組を見て心配になり始まった、という方は少なくありません。)

 

舌痛症は、正常な舌の尖端や側縁に、ひりひりする持続性の痛みが生じるという病気です。通常は、軽度~中等度で、激しい痛みであることは稀です。

舌だけではなく、口唇(上唇と下唇)、口蓋、歯肉など口腔粘膜の広い範囲にひりひり感(やけどをした後のような痛み)が生じている場合は、「口腔内灼熱症候群」といいます。この2つは痛みの範囲が違うだけで、本質的には同じものです。

カンジダ(かびの一種)や鉄欠乏性貧血などでも、同じように舌や口腔粘膜がひりひりすることがありますが、これら器質的異常が実際に存在する場合には、食事時に醤油や味の強いものがしみます。しかし、舌痛症や口腔内灼熱症候群の場合は、食べることや会話に気を取られることで脳の感覚がごまかされ、食事のさいにはむしろ痛みを感じないのが特徴です。

舌痛症や口腔内灼熱症候群の有病率は高く、一般人口中の0.7~5%という報告があります。男女比では1対8と女性がかかる割合が高く、40~60歳の中高年に多くみられます。両者ともに不安やストレスがきっかけになって発症することが多く、特に舌痛症は、「舌ガン」に対する恐怖から始まることが多いことがよく知られています。

<治療>

身体の異常ではなく、脳の痛みに関連する部分が興奮している状態ですので、抗うつ薬(三環系抗うつ薬)がよく効きます。