痛みに関する用語

 

1)<Terminology> 痛みに関する用語
2)体性痛と神経障害性疼痛
3)急性痛と慢性痛


1)<Terminology> 痛みに関する用語

OFPについて勉強するためには、
痛みに関する用語を覚える必要があります。
AAOPガイドライン(クインテッセンス出版 P 93)にも訳者による詳細な解説がありますので、参照なさってください。
以下の用語集は、
’98のニュージャージー医科歯科大学(UMDNJ)OFP continuous education courseの資料を参考にしました
(コースの責任者は「TMDと口腔顔面痛の臨床管理(クインテッセンス出版)」の著者、Prof. Pertes)。
英語で読んだほうが理解しやすいものもありますので、原文を残しました。


●疼痛の定義

「痛みは組織の実質的または潜在的な障害に伴う不快な感覚情動体験、あるいはこのような障害を言い表す言葉を使って述べられる同様な体験である」
Pain : an unpleasant sensory and emotional experience associated with acutual or potential tissue damage, or described in terms of such damage. (IASP)
…pain is what the patient says hurts.=患者が痛いというのであればそれが「痛み」である


●痛みに関する用語

・侵害刺激Nociception – 痛みを感じさせる刺激 perception of noxious sensation
・侵害受容器Nociceptor-侵害刺激に反応するレセプター(受容器)
・侵害Noxious- 正常な組織へのダメージ

・Allodyniaアロディニア- pain from a non-noxious stimulus
普通なら疼痛を生じないような(非侵害性の)刺激により疼痛が生じる状態
・Analgesia- 侵害刺激に対する痛みの感覚の欠除
absence of pain sensation to a noxious stimulu
・Anesthesia知覚消失- いっさいの感覚(特に痛覚)の欠除
absence of sensation
・Anesthesia dolorosa 有痛性感覚消失(求心路遮断などで生じる)
感覚が消失している部位に同時に痛みが生じている状態
・Pain in an area or region that is anesthetic
・Dysesthesia(異常感覚)
– unpleasant, abnormal sensory experience
– 自発性または誘発性に生じる不快な違和感(足がしびれてじんじんする感じなど)
・Paraesthesia(錯感覚)
– abnormal sensation, but not unpleasant
– 自発性または誘発性に生じる違和感。しかし不快ではないもの
・Hyperesthesia- 刺激に対する反応の過敏化 increased response to a stimulus
激しい日焼け後の皮膚など
・Hypoesthesia感覚減退-刺激に対する反応の鈍麻化decreased sensitivity to stimulation
・Hyperalgesia(痛覚過敏)- 侵害刺激に対する反応の過敏化
primary hyperalgesia(歯髄炎の歯など)
secondary hyperalgesia
・Hypoalgesia- diminished pain in response to noxious stimulus
侵害刺激に対する疼痛反応の消退
・Neuralgia(神経痛)- pain in the distribution of a nerve
神経の分布に沿って生じる痛み


1)体性痛と神経障害性疼痛

発生源による疼痛の分類 Origins of Pain Sensation

1、体性痛Somatic Pain
侵害受容器が刺激されて生じる疼痛
resulting from nociceptor activity
2、神経因性疼痛Neuropathic Pain(発作性・持続性神経痛の2つに大別される)
神経そのものの構造異常から発生する疼痛。
侵害刺激なしで疼痛が発生する。
arising within the nervous system, doesn’t require nociceptor activity
– Caused by a structural abnormality within the nervous system itself
– Does not require the presence of any noxious stimulus
– Non-nociceptive pain


2)急性痛と慢性痛

急性痛と慢性痛の違い Acute VS Chronic
「急性痛は疾患の症状の一つであるがAcute pain is a symptom of disease.
慢性痛はそれ自体が疾患であるChronic pain is a disease itself.」
*ここにはポイントだけをまとめましたが、
急性痛と慢性痛の違いをきちんと把握しておくことは重要なので、
詳細は「口腔顔面痛の最新ガイドライン」(クインテッセンス出版Okeson編)p27を参照してください
急性痛 Acute Pian
– Sudden onset, short duration
– Disappears after healing occurs
– Related to tissue damage (trauma, disease)
– Easily diagnosed and managed
– Often accompanied by anxiety and fear
– Protective mechanism or warning signal(生体が危険にさらされている時の危険信号の役目をする)
慢性疼痛 Chronic Pain(もとの疾患が治癒したにもかかわらず痛みが残るもの)
– Last beyond normal healing time
– Complex CNS mechanisms
– Difficult to diagnose and manage
– Psychological overtones : depression, anxiety, sleep disturbance
– No useful biologic purpose
改定:03/07/20

提供:清水市立病院口腔外科・井川雅子