口の中の異常な感覚(セネストパチー)
他覚的に明らかな異常所見を認めないにもかかわらず,口腔内の異常感を奇妙な表現で訴える症状をセネストパチー症状といいます。
訴えの内容は以下のようにきわめて奇妙あるいは異常ですが、その他は全く正常で、頭がおかしくなったわけではありません。体の中の(特に口に関するものが多い)ある一点の感覚だけが変化してしまいます。
治療は薬物療法と認知療法(症状から注意をそらす)を併用します。重要なのはむしろ「注意をそらす」ことで、いくら薬を飲んでも、鏡でしらべたり、触ってみたり、そのことを考え続けたりすると治りにくくなります。
この症状が完全に消えることは稀ですので、治療のゴールは「その感覚は残っているが、気にならない」というところに置きます。患者さん自身が行う認知療法がうまくいくと、このゴールをクリアできることが多いです。
訴えの例
- 歯や歯肉からドロドロ・ネバネバした液が出てくる
- 口の中から白い粉(または砂)が出てくる
- 上あご(口蓋)に大きな穴が空いていて風が吹き抜ける
- 顔(顎)の骨がどんどんずれて、顔がゆがんでしまう
- 朝起きると歯が大きくなって口の中いっぱいになってしまう
- 歯が柔らかくなって、かみ合わせるとぐちゃーと潰れる
- 上の前歯と胸が糸のような物で繋がっていて、動くと歯が引っ張られる
詳細は、当HP、「口腔顔面痛」の中の「口腔内セネストパチー」を参照(10/13作成中)