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「ゾニサミドの抗てんかん薬としての特徴と使い方(ゾニサミドの臨床薬理学的性質)」から引用

1) 作用機序

ゾニサミド(ZNS)は、Naチャネルの阻害およびT型Caチャネル(低濃度作働性Caチャネル)の阻害による神経細胞の興奮抑制により抗けいれん作用を示す。T型Caチャネル阻害作用を示す抗てんかん薬は現在、ゾニサミド以外にエトサクシミド(ESM)しかない。したがって、他の抗てんかん薬が無効な発作に対してもしばしば著効を示す。

2) 投与量・増量幅・治療域血中濃度

成人の場合、3~4mg/kgで開始、2週間ごとに2mg/kgずつ、最大10mg/kgまで増量する。基本的に、100~200mgで開始、2週間ごとに100mgずつ、600mgまで増量する。ゾニサミドの治療域血中濃度は10~30μg/mLであるが、若年者では上がりにくい。

3) 半減期・ピーク時間

成人:50~63時間で、成人のピーク時間は2~5時間である。いずれの年齢層でも、ゾニサミドの半減期はかなり長く、ピーク時間が短いため、効果が服用後早く現れ、長く持続する。

4) 他剤との相互作用

ゾニサミドの血中濃度は、フェニトイン(PHT)、カルバマゼピン(CBZ)、PBとの併用により低下するが、バルプロ酸(VPA)の併用では変わらない。また、ラモトリギン(LTG)併用時には低下、上昇のいずれも起こり得る。ゾニサミドを併用した時の他剤の血中濃度は、PHT で上昇することが多く、CBZでは低下、上昇いずれも起こり得る。VPA、LTGの血中濃度は変化しないことが多い。いずれにしても、ゾニサミドが他剤に与える影響は小さく、他剤から受ける影響のほうが大きい。