抗うつ薬 

慢性疼痛に使用する場合の第一選択は、井川の場合は三環系抗うつ薬のトリプタノールです。

痛みと言うより「違和感」が強く、あることが気になって気になってイライラすると言う場合は、セロトニン系の作用が強いアナフラニールを用いることもあります。また、慢性疼痛にパニック障害を合併している場合などは、アナフラニールを選択することがあります。

痛みに関しても、トリプタノールは150mg/dayまで服用して全く効果がなかったと言う方でも、アナフラニールに変更したら、劇的に効いたと言うことはときどきあります。

効果はトリプタノールよりは劣りますが、安全なのはSNRIです。ただし、こちらは増量すると吐き気が起こる方がいます。胃に作用しているのではなく、吐き気中枢に作用しているためです。先天性QT延長がある方で、慢性疼痛(非定型歯痛)が生じてしまった場合は、トレドミンやサインバルタを用いて治療を行います。

*Effectiveness of milnacipran for a patient with pain disorder and long QT syndrome.
Ikawa M, Yamada K.  Clin Neuropharmacol. 2010 May;33(3):163-4.